どうやって乗りこえるか――読み解き、気づく
小森 先ほどの経済的国家主義、本当にそんなことになるのかと半信半疑の人もいるとは思いますが・・・。
浜 その気持ちはわかります、・・・ですが、チーム・アホノミクスが言っていることを素直に解釈すれば、どうしてもそういう結論しか出てこない。
国家主義体制構築の試みは、既に始まっている。それにどう対応するのか? まず、安倍デンデンの「会議好きの議会嫌い」である所にそれが現われている。たとえば省庁ベースの審議会より、私的な会議を沢山作っている。安倍デンデンはそれが大好きである。安倍の取り巻き、サポーターたちでやっている会議である。「働き方改革実現会議」「生産性向上国民運動推進会議」「一億総活躍推進協議会」「未来投資会議」、「人生100年時代構想会議」・・・等々。そういう「お友達」との反対意見が出ないから効率的に何でも決まっている。それを、各省ベースの審議会に形式的に掛ける。その上で国会上程。その段階では、もう全てが出来上がっている。だから国会では個人攻撃に出たり、品のないヤジをとばしたりしながら逃げ切っていく場になっている。
「みんなフリーランスになりましょう」というのも安倍デンデンがやろうとしている方向性だ。何やら聞こえの良い言い方だが、おそらく竹中平蔵あたりが言いそうなことだ。これは要するに労働者を「渡り職人」に追い込もうとする企みだ。フリーランサー、言わば個人事業主と契約する企業は、労働法制上の責務を負えなくする。そういう働き方を、政府が音頭をとって推進しているなどというのは、世界中探してもないのだ。正規雇用ではない働き方が大手を振ってまかり通っている。
小森 そういう取り合いの狭間に、「お友達」の加計学園なんかが出てくるんですよ。
連合会長も「安倍さんのお友達」に
様々な計略が第2次安倍政権の下で生まれてきた。例えば第1次安倍政権の時、2006年12月16日に教育基本法の改悪を強行採決して、「わが国・・・を愛する」態度を養う教育をしてきて、10年たったので、18歳で投票していいよとしたのが2016年の参議院選挙だった。それが9条改憲の下地づくりになっている。それに国民は気が付いていない。
小森 私たちがなすべきこと、第一の義務は気づくこと、大事ですね。気づくために、浜さんはどのような努力をなさっていますか。
浜 ・・・とてもやりたくないことではありますが、彼らが発信してくるメッセージ、彼らが発する一言一句をしっかり聞くという事です。聞き、読む。
アメリカのジャーナリストでフリーランスの調査報道記者がいた。I.F.ストーンだ。(I.F.ストーン・ウィークリーの読者はアインシュタイン、マリリン・モンローもいたという)最近のNHKもその生涯を描いた。「すべての政府は嘘をつく」前・後編がある。録画した。
浜 2017年の施政方針演説では、これがついに「世界の真ん中で輝く国創り」になり、これは誇大妄想も極みです。・・・安倍首相は、「あの時の日本人に出来たことが、今の日本人に出来ないわけがない」…「あの時」は、どの時か、一つは明治維新、もう一つは戦後の高度成長期である。古い。実は、今の日本人には、ほかにやるべきことがある。それが庶民がお互いに面倒を見合う。巧みで大らかな「分かち合いの経済」だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿